BLOG

マデイラ・ワイン 2 Vinho da Madeira-2

マデイラ・ワイン・カンパニー Madeira Wine Company

11.JPG

1419年、マデイラ島を発見したジョアン・ゴサルベス・ザルコの像がそびえる、首都フンシャルのメインストリート。南国ムードあふれる緑の公園の隣に、コロニアル風の古い建物がある。これが年間20万人が訪れるというマデイラ・ワイン・カンパニーhttp://www.madeirawinecompany.com/(以後MWCと省略)のロッジだ。マデイラ・ワインの博物館であり、ショップであり、さらにはワインの熟成庫でもある。醸造プラントは、同じく市内だが、別の場所にある。

4.JPG

このロッジ、正しくはオールド・ブランディズ・ワイン・ロッジという。MWCロッジではない。そのわけはMWCの歴史にある。1913年、多くのマデイラ・ワインのメーカーがひしめいていたなかで、2社が合併してマデイラ・ワイン・アソシエーションという会社を作った。するとジョイントするメーカーが次々に出てきた。1925年、ブランディズも加わり、追随するメーカーも増え、さらに会社は大きくなった結果、名前をMWCとして今に到っている。現在、MWCの主要ブランドはブランディズBlandy’s、コサート・ゴードンCossart Gordon、リーコックスLeacock’s、マイルズMilesの4つだ。1811年創業のブランディズは今も直系のクリス・ブランディ氏が指揮を執っている。このロッジも、もとはブランディ家の家だったのだ。

5.JPG

MWCはポート・ワイン最大手のシミントン・ファミリーとの提携で、搾汁、発酵、エストゥファジェンといった醸造設備を一新した。だが、カンテイロは昔のままのだ。カンテイロは熟成樽を乗せる枕木のことだが、マデイラ・ワインの樽熟法のことをカンテイロと呼んでいる。この方式では樽を倉のどこに置くかによって中のワインの熟成度が違ってくる。販売部長のリカルド・タヴァレスさんは「醸造プラントにあるカンテイロとロッジのカンテイロでは、海に近く標高が低いロッジの方が、温度が高くなります」という。温度が高い方が酸化熟成が早く進むが、水分の蒸発量も多い。どの状態まで、どこに置いておくかの見極めが大切だ。それを担うのが醸造家のフランシスコ・アルブケルクさん。あまり長い年月樽に入れておくと「天使の分け前」が多くなりすぎるので、デミジョン(大きなガラス瓶)に移して光が当たらないようにして保存する。

6.JPG

 MWCではレイウォーター、デューク・オブ・クラレンス、アルヴァダといった若いワインから、テランテス1976、ヴェルデーリョ1968、ブアル1968、ブアル1920まで、11タイプを試飲。年を経るごとに深みが増していくマデイラの良さを体験した。

 

関連記事

PAGE TOP