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マデイラ・ワイン 5 Vinho da Madeira-5

エンリケシュ&エンリケシュHenriques & Henriques

 

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エンリケシュ&エンリケシュhttp://www.henriquesehenriques.pt/(以後H&Hと省略)があるのは首都フンシャルから西に外れたカマラ・デ・ロボスという町だ。ここは1425年、ポルトガルのエンリケ航海王子の命で初めてぶどうが植えられたところだ。当時エンリケシュ家はこの地域最大の土地所有者だったため、最初にぶどうが植えられたピコ・デ・トーレ山もエンリケシュ家の所有地に含まれていた。現在7社あるマデイラ・ワインのメーカーの中で唯一自社畑を持っているというのはこのH&Hだ。

 最初に訪れたのは、カマラ・デ・ロボスの少し内陸にある、エストレイト・デ・カマラ・デ・ロボスにある畑と醸造プラントだ。山の急斜面に階段状に作られた10haの自社畑には、ぶどうが垣根式に植えられている。社長のウンベルト・ジャルディンさんによると、最初にこの畑にぶどうを植えたのは1994年で、昨年植え直したそうだ。上の方はセルシアル、下の方がヴェルデーリョだ。辛口と中辛口のワインになる。H&Hでは新しく畑を入手し、現在は栽培面積がごく少ない第5番目の白品種、テランテスを、昨年0,5ha植えたという。プラントには除梗破砕機やプレスやエストゥファジェンなどが揃っている。

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 次はカマラ・デ・ロボスの海を見渡すロッジへ移動。ここがカンテイロになっている。ガラス張りでサンルームのようだ。樽の中でワインがぬくぬくと熟成していくには最高だろう。

 H&Hの試飲はモンテ・セコというエクストラ・ドライから。残糖25g/ℓ。甘口が120ℓなのに比べると、じゅうぶん辛口だ。

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セルシアル、ヴァルデーリョ、ボアル、ママルヴァジアと品種別に若い者から古いものまで試飲したが、特筆したいのがヴェルデーリョのソレラ1898年とマルヴァジアのソレラ1894年だ。ソレラの表示年数はそのワインが最初に作られた年だ。それを継ぎ足しながら熟成していったものだが、現在の法律では一旦瓶詰めしたら、10回しか出荷できないことになっていて、10回目でワインは使い尽くしてしまわなければならない。19世紀のエッセンスが入った貴重なワインを試させていただいた。

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