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ロジャー・グラート Roger Goulart





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ロゼ・カバといえば「ロジャー・グラート」。テレビ番組で、高級シャンパーニュ、ドン・ペリニョンのロゼよりおいしいと言われたことによって、一躍有名になったカバです。薄目の赤といってもいいぐらいしっかりした色と、赤いベリーのような香り、フレッシュな口当たり、まさにおしゃれなカバです。

けれども「ロジャー・グラート」のロゼは、それだけ突然生まれてきたわけではありません。それを生み出す長い歴史と伝統がありました。





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バルセロナの北西、カバの都サン・ダドゥルニ・ダノイアの北東にあるサン・エステベ・セスロビレス村にカナルス家と、グラール家がありました。どちらも農家で、それぞれ自家用のワインを作っていました。

1882年、マジ・カナルス・イ・ファレは敷地内の庭に地下の洞窟(スペイン語でカバ)を掘りました。そこで彼はスパークリング・ワインつくりを始めたのです。1899年、その息子のジョセップは自家の敷地の隣にあったゴラール家の土地を入手し、現在の「ロジャー・グラート」の敷地を確保したことにより、本格的なカバの生産体制に入りました。

古い地図にはGOLARという文字がはっきり書かれています。もともとGoulartGolarと書いていたのですが、のちに現在のGoulartのスペルに変えたのだそうです。現地ではグラールと発音していました。


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1882年に掘られた洞窟は今も実際に使われているカバ・サン・ジョルディです。入り口は庭の一角で緑の葉に覆われていて、言われなくてはわかりません。けれどもその小さな扉を開けると、先には、地下30メートルのカーヴに到達する細い急な階段が続いていました。手で堀った痕跡がありありと見えるのはその突き当りの壁です。岩肌には工具の跡がくっきり見て取れます。この洞窟は全長1キロにも及びます。




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「ロジャー・グラート」では、多くの作業が人の手で行われています。両側に瓶が積まれた長い地下の回廊を行くと、ちょうど瓶内二次発酵を終えたカバのボトルを動瓶用のケース、ジャイロパレットに移し替える作業をしているところに出会いました。彼らはもう何十年もここで働いている人たちで、ボデガは6名で切り回しているそうです。

 地下30メートルから昇ってくると、外の日の光がきらきら輝いています。明るいテスティングルームで試飲。「ロジャー・グラート」はカバしか造っていません。潔いですね。


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Roger Goulart Brut Reserva 2013

 チャレロ主体で、マカベオ、パレリャダ。残糖8g/ℓ。フローラルでフルーティ。フレッシュ。

Roger Goulart Brut Nature Reserva 2010

 チャレロ主体で、マカベオ、パレリャダ。残糖3g/ℓ。5年熟成。ソフトでマイルド。

Roger Goulart Extra Brut Gran Cuvée Josep Valls 2008

 チャレロ主体で、次がシャルドネ、マカベオ、パレリャダ。熟したフルーツ。強さと凝縮感と同時にフレッシュ感。

Roger Goulart Brut Rosé 2012

 ガルナチャ主体、モナストレル、ピノ・ノワール・ノワール。残糖10g/ℓ。しっかりした色。力強さ。

Roger Gourlsrt Xarel.lo 100% 2011

 単一品種シリーズの一つ。同社のカバの基本品種チャレロ100%。瓶塾40か月。トロピカルな香り。しっかりした骨格とボディ。すっきりした後味。

Roger Gourlsrt Demi Sec Reserva 2013

 チャレロ主体で、マカベオ、パレリャダ。残糖35g/ℓ。すっきり軽やかな甘さ。

 

 

 

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