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ガルナチャの地Terra de Garnactxes

ガルナチャGarnachaはスペイン語。日本ではフランス語のグルナッシュGrenacheが知られています。ガルナチGarnatxはカタルーニャ語です。

かつてスペインではガルナチャは、量産出来て、アルコール度の高いロゼなどができるブドウで、あまり注目されていませんでした。けれども、最近は、ガルナチャに注目している地域があります。

イベリア半島の真ん中、スペインの首都マドリッドの北部を北東から南西に横切る中央山系Sistema Centralの一部を成すグレドス山脈Sierra de Gredosの麓(と言っても標高1000mに至る)では、コマンドG をはじめとする様々なプロジェクトによって、DOビノス・デ・マドリッドVinos de MadridやDOメントリダMéntridaで、素晴らしいガルナチャのワインを造りだしています。

また、ガルナチャ発祥の地といわれるアラゴンAragón地方では、カラタユCalatayud、カンポ・デ・ボルハCampo de Borja、カリニェーナCariñena、ソモンタノSomontanoの4DOを中心に、ガルナチャのワインをアラゴンから世界に向けて発信しようという動きがあります。

そしてもう一つの中心地がカタルーニャCataluñaです。「Terra de Garnatxesテラ・デ・ガルナチェス」は地中海のガルナチャの持つ個性と可能性を広く知ってもらおうという意図のもとにできた非営利の団体です。今年は4月にバルセロナでテイスティング・セミナーと試飲会を開催しました。

セミナーでは、メンバーでもあるスペインのMWペドロ・バリェステロスPedro Ballesterosが,会長でDOモンサンMontsantのボデガ「ビニェス・ドメネクVinyes Domenech」のオーナーのジョアン・イグナシ・ドメネクJoan Ignaci DomenechとDOQプリオラトのボデガ「クロス・フェゲラスClos Figueras」のオーナー、クリストファー・カナンChristohper Cannanとともに解説。10アイテムを試飲しました。

 

試飲アイテム ☆リストの記載:ワイン名―ボデガ名(原産地呼称名。使用品種)

<白>

Onra 2016 – Lagravera (DOコステルス・デル・セグレ。ガルナチャ・ブランカ100%)

De Calpino 2016 – Mas de l’Abundància(DOモンサン。古木のガルナチャ・ブランカ100%)

<赤>

Microvins Garnatxa Negra 2014 – La Vinyeta(DOエンポルダ。89~90年のガルナチャ・ネグラ)

Turó de les Abelles 2015 – Finca Viladellops (DOペネデス。1989年に植えたガルナチャ・ネグラ90%)

Venus de la Figuera 2014 – Venus la Universal (DOモンサン。50年のガルナチャ・ネグラ100%)

La Personal 2014 – Edetària(DOテラ・アルタ。60年のガルナチャ・ペルダ100%)

Teixar 2014 “Vi de Finca”– Vinyes Domenech(DOモンサン。80年のガルナチャ・ペルダ100%)

Clos Figueras 2014 – Clos Figueras (DOQプリオラト。ガルナチャ、カリニェーナ、シラー)

San Antoni 2014 – Scala Dei(DOQプリオラト。1945年に植えたガルナチャ・ネグラ100%)

<甘口>

Sol i Serena de Damigiana – Celler D’en Guilla(DOエンポルダ。ガルナチャ・ロジャ100%。アルコール添加で発酵を途中で止め、デミジョンに詰め、屋外で3年熟成)

 

☆ガルナチャ・ティンタはカタルーニャではガルナチャ・ネグラと言います。

☆ガルナチャ・ペルダはガルナチャ・ティンタより粒が小さく皮が厚く、酸度が高い。葉の裏側が細毛でおおわれているのが、名前の「ペルダ=毛深い」の由来。アラゴンが起源でカタルーニャにもある希少な品種。

☆ガルナチャ・ロジャは、見かけは黒ブドウですが、DOエンポルダでは、白ブドウと同じ扱いを受けてきたので、白ブドウに分類されています。

 

試飲会には全25社が出展。テイスティング・セミナーに出品しなかったデガはDOテラ・アルタのAltavins Viticultores、Celler Xavier Clua、Herència Altés、DOペネデスのPéres Baltà、DOQプリオラトのMas Doix とMarco Abella、DOエンポルダのVinyes dels Aspres。 その他、米国のカリフィルニアとフランスからの参加もありました。

 

主催者のデータでは、カタルーニャのガルナチャ栽培面積は5,890ha。そのうちガルナチャ・ブランカが1,780ha、ガルナチャ・ネグラが3,924ha、ガルナチャ・ティントレラが84ha、ガルナチャ・ペルダが66ha、ガルナチャ・ロジャが36ha。

これからもガルナチャから目が離せません。

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