ここ何年か、毎年1月後半はシェリーの里、ヘレスに行っています。けれども今年は、その前にちょっと途中下車してコルドバへ。そしてコルドバのワインの産地、原産地呼称(DO)モンティーリャ・モリーレスに行きました。
コルドバは久しぶりです。初日はDOモンティーリャ・モリーレスの統制委員会事務局長エンリケ・ガリドさんとコルドバの旧市街にある「チュラスコ」というグリルがお得意なレストランへ。さっそく出来立てのワインを飲みました。冬は、モストと呼ばれる、前年の秋の収穫でできた新しいワインが飲める季節です。モンティーリャ・モリーレスのワインはシェリーと大変よく似ていますが、フィノの場合、酒精強化しないのが特徴です。なので、モストは樽熟前の予備軍です。辛口で、アルコール度は15%ほどあるはずなのですが、全然感じさせないソフトな口当たりです。
その後、モンティーリャ村に移動。町中のホスタルに泊まりました。車を運転しない(飲んだら乗るな!です)ので、郊外にあるホテルはダメです。けれども、このホスタル、ワイン好きには大変魅力的でした。
入口にあるバルは夜だけしか開けないようです。そこは常連客のたまり場になっていて、オヤジさんは和気藹々とおしゃべりに加わっていました。フィノを頼むと、息子さんが、ジャーに入ったフィノをドブドブッとついでくれるのが、また家庭っぽくて、なごんでしまいます。スペインの常、というか、珍しい人を見たら話しかけずにいられない人たちが、「何しに来たの?」と声をかけてきます。「ボデガを訪問に来たの」と言うと、「ここにもボデガはあるよ。見せてあげる。」と、ガレージの奥へ。
確かにボデガです。樽が積まれてあるし、壺の中のワインには発生したフロールがびっしり。真っ白なきれいなフロールでした。先ほどのフィノもこのボデガから出してきたものでした。おいしい。
モンティーリャの村では「カンデラ・デ・サン・セバスティアン」とお祭りにも参加してしまいました。広場に大きな焚火を作って、みんなで、枝に刺したチョリソを焼いて、パンに挟んで食べるという、素朴なお祭りでした。もちろん、枝を1本買って、チョリソを焼いて食べてみたら、これが、とてもおいしい!「チョリソはここの?」と聞くと「もちろん」とのこと。生ハムの産地も近いし、まだ冬に家庭用に生ハムを作る「マタンサ」の習慣も残っているのでしょう。飲み物は、なぜか、焚火の横のモニュメントの礎にバッグインボックスのフィノが置いてあって、みんなが勝手に飲んでいました。ボデガのプレゼントなのでしょう。いただきました。ごちそう様。