ジュスティノス Justino’s
ジュスティーノ・エンリケスという名で、ファミリー企業として1870年から存続されてきたメーカーだ。現ジュスティノスhttp://www.justinosmadeira.com/の醸造家のジュアン・テイシェイロさんも「昔とは技術が変わったのでティンタ・ネグラからもよいワインができます」と言い、いろいろなことをしている。エストゥファジェンだけでつくるワイン、カンテイロだけでつくるワイン、エストゥファジェンだがカンテイロ・フィニッシュのワイン。
カンテイロの樽はフレンチ・オークが80%だという。マデイラの熟成に新樽は使わないため、コニャックやアルマニャックの熟成に使った樽を買ってきて、使用する。サイズは300~350ℓ。普通はアメリカン・オークの600ℓ樽や、さらに大きな樽を使っているのに比べると半分ぐらいだ。さらにラックに積まれているため、他社のカンテイロの倉庫とは雰囲気が大分違う。小さい樽は熟成が早く、大きい樽はゆっくりなので、熟成のさせ方によって使い分けている。「もしかしたら、ワインの奥にちょっとブランデーっぽさが感じられるかもしれないけれど、それは樽のせいです」とジュアンさん。
また2008年からぶどうのオーガニック栽培をしている。高齢な栽培者は説得が難しいが、このところの経済不況で島に戻ってきた若者がぶどう栽培を始めることもあって、彼らにオーガニック栽培をしてもらっているという。まだ栽培面積はごく少ないが、希少な品種、テランテスやバスタルドも植えている。
マデイラ島は棚づくりのぶどう畑が知られるが、垣根仕立ての畑もあり、 羊がのんびり歩いていた。