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マデイラ・ワイン 7 Vinho da Madeira-7

島の北岸

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 マデイラの畑は独特だ。火山島で、総面積732㎡。日本と同じように中央部は山なので畑をつくれる場所は限られている。ぶどう畑も斜面にある。しかもかなりの斜度だ。伝統的な仕立て方はラタダという棚づくり。収穫効率はあまりよくないが、下にジャガイモやさまざまな野菜を植えられるので、今も棚づくりは多い。もう一つの伝統的な植え方に背の低い株づくりがある。これは階段状の畑に植わっていた。幹の高さはせいぜい20センチとのこと。枝が伸びたとしても、房がやっと下がれる程度だ。実は葉の陰に隠れた状態で太陽で温められた土の熱も利用して熟していく。新しいのは垣根づくりだ。これは日照や通気の条件が良いので、収穫量が多いという。

 

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畑は島の南部と北部では大分条件が違う。島の北側へ抜けると日本でいうなら、太平洋側から日本海側に出たかのごとく、海の色が違った。波も荒い。海風が強く、畑は風よけの柵で囲まれている。暖かい日差しを浴びたバナナ園も多い南とは大違いだ。スティル・ワイン用のぶどうは主に北の畑で栽培されているが、セルシアルやヴェルデーリョはスティル・ワインにもマデイラ・ワインにも使われる。

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マデイラ島にはDOP (Denomnação de Origem Protegida)マデイラのほかに1999年に制定されたDOPマデイレンセMadeirenseIGP(Indicação Geografica Protegida) テラス・マデイレンセスTerras Madeirenses いうスティル・ワインの認定呼称がある。赤、白、ロゼがあり、2010年には1,126hl生産されたうち、DOP1,114hlIGPテラス・マデリエンセスが12hlあった。マデイラ政府は「アデガ・デ・サン・ヴィセンテAdega de São Vicente」という醸造試験所を島の北部につくり、技術的な助言をしたり、設備を貸し出したりして、生産者が自社設備を持たなくてもワインがつくれるようにしている。

 

マデイラ島の伝統的なワインにも少しずつ新風が吹きこみはじめ、スティル・ワインの登場で、島の北岸のぶどう栽培も興味あるターゲットになっている。

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