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アレンテージョのデヴィッド・ベイバーストックさん Mr. David Baverstock from Alentejo

最近、目覚ましい展開をしているポルトガルワインですが、なかでもアレンテージョはモダンなスタイルで国際的なステージで負けない素晴らしいワインを生産する地域です。

初めてアレンテージョに行ったのは確か、20年ほど前のこと。それまでポートワインの産地である北部のドウロ川流域地域しか知らなかったので、その平坦な赤っぽい大地を見たときは、あまりの違いにびっくり。

そのとき訪問したワイナリーの一つが「エスポランEsporão」でした。真っ白なモダンな建物の中で、窓からは真っ青な空のもと、赤茶色の乾燥した土地の中に真っ青な池があったのを覚えています。

そこで、醸造家ですと言われて紹介されたのがデヴィッド・ベイバーストックDavid Baverstockさんでした。正直、「なんでこんなところにオーストラリア人?」というのが最初の印象でした。彼はオーストラリアのバロッサ・ヴァレーの出身です。ヨーロッパ各地でワイン造りをしてきた結果、ポルトガル南部のアレンテージョに至り、1992年からエスポランでワイン造りに携わっています。現在はドウロ地方でもワインを造り、ヴィニョ・ヴェルデにも進出を図っているとのことです。

アレンテージョはコルク樫の広大な森があることでも知られて、世界最大のコルク製品メーカー「アモリン」の工場もあります。そのため「エスポラン」はその後2回訪問していますが、デヴィッドさんにお会いしたのは最初の時だけでした。

そして先日、ポルトガルワインに力を入れていらっしゃるインポーター、木下インターナショナルさんの試飲会で20年ぶりにデヴィッドさんにお逢いしました。「変わらないね!20年前と同じだ! ウソ、覚えてないでしょう(笑)」と冗談を言いながら、テイスティングさせていただいたワインは、さらに洗練度を増していました。

もともとポルトガルの中のニューワールド・ワインといった、力強いイメージがありましたが、今回改めて飲んでみると、肩の力が抜けてスマートになったような感じがしました。

ワインには、ヴィーニョ・レジョナル・アレンテージョの製品とDOPアレンテージョアレンテージョのものがあります。DOPの赤ではプライベートセレクション・レッドとヴィーニャ・デ・ターリャ・ヴィニャス・ヴェーリャスに注目。前者はアリカンテ・ブシェ、アラゴネスにシラーも加わった、しっかりした力のあるワイン。後者はトリンカデイラ、アラゴネス、カステラン。モレトが混植された畑のもので、まろやかさがあるやさしいワイン。地場品種を生かした、2つのまったく違った性格を持つワインでした。

「次は20年後じゃなくて、2年のうちには会おうね!」とお別れしました。

 

 

 

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