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シェリーと天麩羅の会 Vino de Jerez con TMPURA

日本に来たことのあるスペイン人が熱く語る日本料理といえば、まずはSushi。築地の小さな寿司屋で食べたのは美味しかったとか、普通に語ってくれます。そしてKobe。こんなにおいしい牛肉は食べたことがないと興奮気味。最近の人気はRámen。毎日食べても飽きないという人がいるほどです。

ここで忘れてならないのがTempuraです。スペインのオシャレなレストランでは当然のごとくメニューにTempuraと記してあります。

日本の天ぷらのもとは、室町時代に鉄砲とともにもたらされたといわれています。当時は油が貴重だったため、高級料理でしたが、江戸時代になって、油の生産量が増えたため、一般的に食べられるようになりました。屋台の天ぷら屋さんがあったとのことで、食事というより、スナック感覚だったのでしょうね。

時代とともに、日本の天ぷらは元祖であるイベリア半島の揚げ物、フリートとは違ったものになり、季節感や歯ごたえ、風味、色味など、繊細さを味わえる料理になっています。

こんな天ぷらをシェリーと合わせるディナーが3月15日、東京・新宿の天ぷら専門店「つな八」のなかでもワインとのマリアージュに強い店舗、「つのはず庵」で開かれました。

「つな八」は昨年、ヘレス・デ・ラ・フロンテラで開催されたシェリーとのマリアージュのコンクール、「コパ・ヘレス」のグルメ・フォーラムで天ぷらの技を披露。喝さいを浴びました。これを機に、シェリーとのマリアージュを楽しむ会を開催しています。

ワインはサンルーカル・デ・バラメダにあるマンサニーリャの最大手メーカー「バルバディージョBarbadillo」のもの。

マンサニーリャ・パサダ・パストーラPastoraから始まりました。桜鱒の香草マリネのねっとり感とよく合います。

続いてマンサニーリャのソレアールSolearは巻海老、鱚の大葉はさみ揚げ、雪下人参の天ぷらと。これは合わないわけがない組み合わせ、元祖シーフードのフライ感覚です。

このあたりからアモンティリャード・プリンシペPrincipe、ドライ・オロロソ・クコCucoも一緒に試してみたい一品が続きます。

筍のハモンセラーノ包みは生ハムの塩味の筍への入り具合が絶妙。牛タンの含ませ、南部一郎かぼちゃ、大浅利の燻製、穴子、この辺はアモンティリャードかオロロソか、試しながら食べるのが贅沢です。

最後に天豆の雑炊で、マンサニーリャ・パサダが再登場。そのまろやかな風味が雑炊の出汁風味を引き立てます。

デザートのバニラアイスクリームはモスカテル・ラウラLauraで。

春の食材が生かされた天ぷらの和食のコースは、シェリーの様々なタイプを楽しむには最高です。まずは身近な食材の天ぷらと、すっきりシャッキリ系で料理との組み合わせに外れのない辛口のマンサニーリャで試してみませんか?

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