今年も恒例のFOODEX JAPANで春を迎えました。訪問したスペイン・ワインのブースの中から今のスペインの傾向が垣間見られるところをいくつかご紹介します。
まずはカバCavaから。DOカバの本場はカタルーニャ州。Canals & MunnéのSerralet del Guineuはピノ・ノアール40%、シャルドネ30%、チャレロ20%、マカベオ10%。ブルット・ナトゥレで、背筋の通ったすばらしいカバでした。www.canalsimunne.com
けれどもDOカバの認定産地はスペイン各地に散在しています。DOリベラ・デル・ドゥエロのボデガTorremilanosはいつも信頼できる赤ワインをつくってきていますが、カバにもいいものがありました。www.torremilanos.com
またバレンシアValenciaにあるCastell dels Sorellsはカバを専門にしている珍しいボデガです。トレパット100%のロゼのカバは若いCastell dels Sorellsは赤ワインかと思うほどしっかりした色ですが、熟成したCuveé Magentaは落ち着いたタマネギの皮系の色で、どちらも大満足のカバでした。www.cantelldelssorells.com
次は白。DOアリカンテAlicanteは地中海沿岸でもバルセロナからかなり南に下ったところにあります。赤用のモナストレル種が有名です。Bodegas Bocopaは7ヶ所にボデガを持って、モナストレルの赤ワインもつくっていますが、一番印象に残ったのはモスカテル・デ・アレハンドリアでつくった白ワインMarina Alta。
フルーティな香りがとても豊かなので、多少甘いのかと思ったら正反対。しっかり辛口です。まさに地中海のワインといった軽やかな口当たりは、これから浜辺でシーフードを食べながら飲むには最高でしょう。www.bocopa.com
赤ワインはたくさんあります。まずは、マドリッドの友達から紹介されていたラ・マンチャLa ManchaのボデガMontalvo Wilmotへ。ぶどう品種はテンプラニーリョ(昔からの呼び名であるセンシベルを使わないボデガが増えています)のほか、カベルネ・ソーヴィニョン、シラーで、単一品種ものとブレンドものがあり、どれもモダンできれいなワインです。www.montalvowilmot.com
ラ・マンチャはワインの大量生産地として知られてきましたが、このところ様変わりしています。今年のFOODEXでカスティーリャ・ラ・マンチャ州は独自の大きなブースも出し、スペインワインコンクールで優勝したソムリエの櫻井さんがワインをサービスしてくれるバルは人気を博していました。
DOビエルソBierzoはカスティーリャ・イ・レオン州とはいえガリシア州と接する地域の山の中にあります。主要品種のメンシアという黒ぶどうが注目されて、スペイン各地から著名なボデガが進出していることでも知られています。ボデガCasar de Burbiaのワインはメンシア100%が主流ですが、メンシアにほんの少しガルナチャ・ティントレラ(実も赤い珍しい品種)をブレンドしたCasar de Burbiaもあります。www.casardeburbia.com
同じくDOビエルソのBodegas EstefaníaというボデガはDOワインTilenisの他に、ビノ・デ・ラ・ティエラ・デ・カスティーリャ・イ・レオンとして、Ecológico(有機)のメンシア100%のCastillo de Úlver と、プリエト・ビクドという同地特有の品種100%のワインClanもつくっていました。www.tilenus.com
最後はデザート。
甘口ワインということでDOマラガMálagaのボデガ Málaga Virgenをご紹介します。昔からマラガの伝統的なワインをつくってきたボデガです。以前はLopez Hermanosという名前でしたが、ブランド名だったMálaga Virgenがあまりにも有名なので、社名にしてしまいました。酸化熟成系のMálaga Virgenはいつもホッとするようなやさしい甘さです。Moscatel Naranjaはモスカテル・デ・アレハンドリアでつくった甘口ワインに乾燥したオレンジピールを漬けて風味付けしたもの。エレガントな香りと甘さがオシャレです。www.bodegasmalagavirgen.com
他にもすばらしいワインはたくさんありました。どのボデガも”日本進出”をとても大事なことだと考えてくれているのが印象的でした。日本市場はとても魅力的なようです。期待に応えられるよう、頑張ってスペイン・ワインをたくさん飲みましょう!