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シェリー・アカデミー研修ツアー2020 Sherry Academy Tour 2020

「シェリー・アカデミー研修ツアーSherry Academy Tour 」というのは、2002年からシェリー委員会が日本で実施しているシェリーのスペシャリスト「ベネンシアドール」の公式称号資格認定試験Examen de la Titulación de Venenciadores Oficialesで最優秀に選ばれた方をご招待して実施される現地の研修ツアーです。シェリー委員会Sherry Committee は2001年、シェリー原産地呼称統制委員会とシェリー生産者連盟が私、明比淑子と共に対日プロモーションのために立ち上げた委員会です。当初はシェリーの産地から委員会の会長や連盟の会長、そしてベネンシアドールと共に日本各地をまわってセミナーを行い、秋に最終審査を行って、公式ベネンシアドールを認定していました。現在は日本国内で試験実行委員会が結成され、試験が実施されています。

今回は2019年9月の試験で藤田将成さんが最優秀ベネンシアドールに選ばれました。ツアーは一般参加もでき、今年は他に10名の方々のご参加をいただきました。2020年の「シェリー・アカデミー研修ツアー」の日程は、1月19日成田発、25日帰国でした。イベリア航空の直行便を使いました。

 例年のように、1日目は原産地呼称統制委員会でクラスで始まります。シェリーの基礎講座で、現場の見学前のシェリーの知識のおさらいです。

その後、数あるボデガのなかでも外せない「ゴンサレス・ビアスGonzález Byass」へ。ティオ・ペペの看板ベネンシアドールのパコ・ガンドンPaco Gandónさんが時間を割いてくださり、参加したベネンシアドールの方々の実技をチェックしてくださいました。ボデガ見学の後、町のレストラン「クルス・ブランカ」でゴンサレス・ビアス社のシェリー各種とのマリアージュの昼食を楽しみました。

夜は、通常の訪問は受けないという「サンチェス・ロマテSanchez Romate」社へ。サクリスティアの長期熟成シェリーの試飲のあと、樽にサインもさせていただきました。

その晩はタバンコでモスト(酒精強化前のパロミノのワイン)を飲みながら、地元のフラメンコを鑑賞。

 

 

 

 

 

 

2日目は統制委員会で基礎的なタイプのシェリーのテイスティング。その後マスコミ各社の取材を受けました。翌日の地元紙「ディアリオ・デ・ヘレス」の表紙を飾ったため、ベネンシアドールの方たちは一躍町の有名人に。

この日はサンルーカル訪問です。まずバルバディーリョ社Barbadillo の高台の窓辺からサンルーカルの町全体と、その先に広がるグアダルキビール川の河口、ドニャーナ国立公園、大西洋を眺め、サンルーカルの微気候条件を確かめました。その後ボデガを訪問、昼食はボデガの中の暖炉のある部屋で地元料理のシーフードや各種フライとマンサニージャのマリアージュを楽しみました。最後は、新製品「ミラブラスÁS」というパロミノの古木の実で造られたスティルワインに使用されたブドウが植わる畑へ。この地域のブドウ畑の大きな特徴である真っ白い土、アルバリサを踏みしめながら「ÁS」を飲みました。

 その後はグアダルキビール川のビーチやサンルーカルの町を散策してから、町の一角に潜むボデガ「ラ・シガレラ La Cigarrera」へ。ここでもサクリスティアのワインをいただきました。

引き続き、ご近所のボデガ「ラ・ヒターナ La Gitana」へ。看板ブランドの「ラ・ヒターナ」のラベルの変遷が見られました。最近ボデガの中をアレンジ中。新しくできたレストランでラ・ヒターとのマリアージュの夕食をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日目はチピオナの海岸線経由でサンルーカルへ。チピオナの海岸の砂は、グアダルキビール川のビーチの砂よりかなり粒が大きく荒い感じです。

この日のサンルーカルはヘレスの「ルスタウLustau 」社のアルマセニスタだった「クエバス・フラドCuevas Jurado」へ。今は「ルスタウ」社の傘下に入っていて、同社のマンサンーリャはすべてここで熟成されているとのことでした。

次はエル・プエルトにある「ルスタウ」の親会社「カバリェーロCaballero」社へ。ここでは「プエルト・フィノPuerto Fino」を熟成しています。そして同社が所有するサン・マルコス城も見学。昼食はヘレスに戻って「タバンコ・プラテロス」で。

夜は「フェルナンド・デ・カスティーリョFernando de Castilla」へ。いつも整然としたボデガで洗練されたシェリーをいただきました。タパスとの相性も抜群です。

 

 4日目は朝、市場の魚売り場を見学した後、町中の小さなボデガ「ファウスティーノ・ゴンサレスFaustino González」へ。ここではまだ全てのワインを樽発酵で造っているので、まずは、その樽発酵のモストを試飲させていただき、長期熟成のアモンティリャードまで各種いただきました。

最後は畑の中の「ヒメネス・スピノラXiménez-Spínola」です。ヘレスで唯一ペドロ・ヒメネスだけを栽培し、ペドロ・ヒメネスだけでワインを造っているボデガです。今年もここで「シェリー・アカデミー」の修了証書の授与が、統制委員会会長ベルトラ・ドメック 氏 D.Beltrán Domecqによって授与されました。

こうして無事研修コースを終えた最後の夜は、ヘレスの町中にあるミシュラン一つ星のレストラン「マントゥアMantua」でシェリー各種とのマリアージュ・ディナーをいただき、濃い研修コースを締めくくりました。

また来年も、「シェリー・アカデミー・ツアー」は楽しい企画をご用意します。ぜひご参加ください。

 

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