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メントリダのガルナチャ Garnacha de Méntrida

10月後半、マドリードのすぐ西、古都トレドの北に位置するDOPメントリダMéntridaにあるボデガ、「ヒメネス・ランディJiménez-Landi」を訪れました。多分スペイン・ワイン通の方はヒメネス・ランディという名をご存知だと思います。ガルナチャをフィーチャーした素晴らしいワインを造るボデガとして知られていました。このボデガはダニエル・ゴメス・ヒメネス・ランディとホセ・ベネビデス・ヒメネス・ランディJosé Benavides Jiménez-Landiという従弟同士で2004年に始めたもので、ダニエルが醸造家を務めていました。けれども2012年、それぞれの道に進むため、別れたのでした。

ホセ・ベネビデス・ヒメネス・ランディ

今回訪問したのはホセ・ベネビデス・ヒメネス・ランディのボデガです。けれども到着先として指示があったのは「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ナティビダ協同組合Coop. Nuestra Señora de la Natividad」。記簿は小さめ。セメントのタンクを使っています。ここでホセが何をしているのかというと、「協同組合の設備を借りて、値段を抑えた、飲みやすい若いワインを造っています」とのこと。

主要なワイン造りの場は400年以上続くファミリー所有の畑と家屋にありました。蔦の絡まる風情のある白壁の家の中はボデガ。熟成樽が眠っています。さらには地下深くに手彫りで掘られたセラーは、かつてファミリーが素焼きのツボ、ティナハでワインを造っていたところで、「ヒメネス・ランディ」として造られた最初のヴィンテージ2004のワインのボトルが保存されていました。

ボデガがあるメントリダ村は、原産地呼称認定地域のほぼ北の端にあります。所有する20ヘクタールある畑はオーガニック栽培で、ビオディナミに移行中です。そのうち15ヘクタールはこのメントリダにあり、あとの5ヘクタールはさらに認定地域の西の端にあるエル・レアル・デ・サン・ビセンテ村にあります。

この位置はとても重要です。今、素晴らしいガルナチャのワインの産地として注目されているイベリア半島の中央部を斜めに横切る中央山系の一部であるグレドス山脈の山裾。原産地呼称ビノス・デ・マドリードのサブゾーンのひとつで、ガルナチャのワインの素晴らしい産地でもあるサン・マルティン・デ・バルデイグレシアスとともに、素晴らしいガルナチャのワインを生み出す地域なのです。

ホセは先祖伝来の畑を守り、一家の伝統として、素晴らしくおいしいガルナチャのワインを造り続けてくれています。帰りがけにホセのお母さま登場。「時々お掃除に来なくちゃいけないの」と明るくニコニコとおしゃべりしていってくださいました。

アタウルフォスAtaulfos、ピエラゴPiélago、ソトロンデロSotorronderoは文句なくおいしいですが、お手頃値段で、素晴らしいバホンディージョBajondilloも造ってくれているのはうれしいですね。

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