シェリーとマンサニーリャ用のブドウの栽培認定地域はマルコ・デ・ヘレス Marco de Jerezと呼ばれています。シェリー&マンサニーリャ原産地呼称統制委員会は9月11日(金)、マルコ・デ・ヘレスでの収穫が終わり、収穫量は昨年より7%ほど減少したと発表しました。
発表当日現在ではまだ搾汁工程が完全に終わっていないボデガや、ブドウの天日干し(ソレオ)が続いているボデガもありましたが、生産者として登録されている32のボデガの収穫は終了しました。
収穫総量は5340万キロで、2019年の5730万キロに比べて6,8%減。昨年は1ヘクタール当たり8400キロで、通常の10500キロに比べるとかなり少ないと言われていたのですが、今年は8000キロに至りません。ちなみに現在の栽培面積は7142ヘクタール。
減少の理由は気候不順でした。通常雨が降る秋、冬に降らず、年末年始で少し降ったものの、早春に至るまでまとまった雨は降らず、最終的に全体で500ミリというのは、通常の600ミリに比べるとかなり少ない降水量でした。
夏は7月が異常に暑く、ブドウの生育は追いついたものの、全体的にはばらつきが多く、同じ地区の中でも生育状態に差が出ていました。
収穫が始まったのは8月5日です。例年は内陸にあるヒバルビンといったパゴでの方が早く始まるところ、今年はマチャルヌドという、少し海に近いパゴから始まりました。
その後8月は気温がそれほど上がらず、海辺の畑ではブドウの糖度が例年ほど上がりませんでした。
ただ、今年はCOVID-19の感染が広がった中で、マルコ・デ・ヘレスではブドウ栽培者にも、ボデガ関係者にも、誰一人感染者が出なかったことが幸いでした。