シェリー・アカデミー2017
2017/02/11
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20171月、スペインの冬は異常気象でした。通常は東京よりはるかに日差しの暖かいアンダルシアのシェリーの里、ヘレス・デ・ラ・フロンテラで、手袋をはめたくなるような寒さ。地中海沿岸のバレンシアで雪が積もっているニュースを見ながら、しっかりマフラーを巻いてホテルを出る日々。

 今年の「シェリー・アカデミー・ツアー」は117日(火)1305ヘレスの空港到着から始まりました。

 例年のように、シェリー原産地呼称統制委員会の近くにあるホテル「ロス・ハンダロス・ヘレス」にチェックイン。早速、メインストリートへ昼食に出かけました。ヘレスで飲むフィノは、同じブランドでもどこか日本で飲むのとは違って、格別なおいしさです。

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 今回はシェリーの三角地帯を形成する3都市、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ、エル・プエルト・デ・サンタ・マリア、サンルーカル・デ・バラメダのうち、最初の3日はヘレス、最終日にサンルーカルを訪れました。

 

プログラム

117日(火)

到着日の晩からプログラムは始まります。まずはフィノの大御所「ティオ・ペペ」のメーカー「ゴンサレス・ビアス」社を訪問。エッフェル塔で有名なエッフェルがデザインしたボデガ「ラ・コンチャ」でテレビの取材を受けました。ディナーは近くのレストラン「クルス・ブランカ」で。

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118日(水)

統制委員会で、ゼネラル・ディレクター、セサル・サルダーニャ氏の講義を受けた後、ミディアムの「ドライ・サック」や「ドン・ソイロ」のシリーズで知られる「ウィリアムズ&ハンバート」社へ。ヨーロッパ随一の巨大なボデガに並ぶ圧倒的な数の樽から、様々なタイプを試飲させていただきました。充実したショップでは、ヴィンテージ・シェリーも売っています。

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夜は、小さいけれど洗練されたシェリーを造る「レイ・フェルナンド・デ・カスティーリャ」社へ。貴重な長期熟成シェリーを樽から試飲させていただきました。

 



119日(木)

朝は統制委員会で、会長のベルトラン・ドメック氏の講義で、ワインの造り方をしっかり頭に入れてから、統制委員会が選ぶ各タイプの基準サンプルを使って試飲を行いました。

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次はぶどう畑見学です。ヘレスの代表的なパゴ「マチャルヌード」にある「エステベス・グループ」所有の畑です。シェリーの産地一帯が見渡せる丘の頂上に登り、サンルーカル・デ・バラメダ、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアの位置を確認。けれどもこの日はものすごい風のため、すぐに畑の中の小屋に避難。かつて、ぶどう踏みに使っていた「ラガール」を見せていただきました。

その後同社のボデガへ。ここには「レアル・テソロ」、「バルデスピノ」、「ティオ・マテオ」といった有名なブランドのボデガがあります。また同グループにはサンルーカル・デ・バラメダに「ラ・ギータ」のボデガも属しています。

ここでは、先ほど訪問した「マチャルヌード」の畑のぶどうで造った、樽発酵の「モスト(酒精強化前のワイン)」を試飲。この時期ならではです。これは「バルデスピノ」のフィノ「イノセンテ」に使います。その「バルデスピノ」の前オーナーのボデガにあった古いラベルのコレクションも見せていただきました。さらには「レアル・テソロ」のボデガのサクリスティアで素晴らしいマリアージュのランチもいただきました。

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夜はヘレスの町中にある「ルスタウ」社を訪問。いつものように整然と掃き清められたボデガは美しく、静かにシェリーを熟成していました。「ルスタウ」はシェリーの三角地帯を形成する3都市でシェリーを熟成している唯一のボデガです。ヘレスのフィノ「ハラナ」エル・プエルとのフィノ「プエルト・フィノ」、サンルーカルのマンサニーリャ「パピルサ」をあらためて試してみると違いがはっきりあるのが分かります。

「ルスタウ」では会長ドメック氏と輸出業者協会の事務局長パトリシア・デ・ラ・プエルタ氏により「シェリー・アカデミー」修了証書が各人に手渡されました。

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120日(金)

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 シェリーの歴史3000年のもとはフェニキア人が作りました。その痕跡を確認に、「ドニャ・ブランカ城」の遺跡を見学しました。紀元前8世紀、地中海の東の端からやってきたフェニキア人たちが、当時海に面していたこの地に港として街を作って住み、ぶどうを栽培してワインを造っていたのです。何世紀にもわたってこの地に住んできたフェニキア人の生活が何層にも重なっています。現在みられるのは紀元前34世紀の石のラガール(ぶどう踏み桶)です。

 次、マンサニーリャの里、サンルーカルの「バルバディーリョ」へ向かいます。サンルーカルはバリオ・アルト(上地区)とバリオ・バホ(下地区)にはっきり分かれています。このボデガはバリオ・アルトの断崖絶壁の上にあるので、目の前にグアダルキビール川と対岸の湿地帯ドニャーナ国立公園、左手に大西洋が広く見渡せる位置にあります。つまり常に涼しい湿気の多い風を全面的に受ける位置にあるということです。これがマンサニーリャの個性を作ります。マンサニーリャ「ソレアール」はここで熟成されているのです。


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 次はバリオ・バホに下りて、「ラ・ヒターナ」のボデガを訪問。こちらは海抜ゼロメートル以下の地帯です。「バルバディーリョ」とは全く違った条件ですが、地下からの湿気がフロールの安定に必要な湿度を保っています。ここでは平均熟成年数50年以上の古いシェリーをたくさん飲ませていただきました。最近できたビールのサーバー・スタイルのマンサニーリャ・サーバーがありました。

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 お昼はグアダルキビール川のほとりのレストラン街、バホ・デ・ギアの「ミラドール・デ・ドニャーナ」でとれたてのシーフードをマンサニーリャ「ラ・ヒターナ」とともにいただきました。終わるともう夕暮れ時。浜辺の向こうの大西洋に太陽が沈んでいきました。

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 こうして2017年も「シェリー・アカデミー」は無事に楽しく終わりました。

 

 

 

 

 

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