7月2日(火)、カステル・デル・レメイ社のアジア・パシフィック地域担当ディレクターのルード・カルスドルプRuud Karsdorpさんの来日を機に、輸入元ス・コルニさんの試飲会でいろいろお話を伺いました。
カステル・デル・レメイはカタルーニャ地方の内陸に位置する原産地呼称コステルス・デル・セグレにあって、そのトップブランド「1780」に使われている、1780年にぶどう畑を作り始めたという長い歴史を持つボデガです。「お城より畑の方が古いのですよ。」とルードさん。また、「このボデガはスペインで最初にフランス品種を植えたボデガです。トーレスの方が有名ですけれど、うちが先です」とのこと。カタルーニャ地方はフランスと接していることもあってフランス品種の扱いは上手です。
「カステル・デル・レメイは1923年、アインシュタインがスペインを訪れたときのディナーにも使われています」ということで、その品質も長い間、高く評価されてきていました。
現在400haある敷地の中の70haがぶどう畑では、地元の品種のテンプラニーリョ、ガルナチャ、マカベオとフランス品種のメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ピノ・ノアール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランを栽培しています。
カステル・デル・レメイのワインは全てブレンド・タイプです。樽熟の場合、スペイン品種はアメリカン・オーク樽で、フランス品種はフレンチ・オーク樽で熟成するそうです。そして樽熟が終わったところでブレンドします。
白は2つあって、ブラン・プラネルBlanc
Planellがマカベオとソーヴィニヨン・ブランのブレンドでフレッシュなタイプ、オダ・ブランOda Blancがマカベオとシェルドネのブレンドで、豊かさがあるタイプです。
赤のゴティム・ブルGotim Bru 2010はテンプラニーリョ、ガルナチャが55%を占め、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーがブレンドされている、バランスの良い、飲みやすいタイプです。オダ・ティントOda Tinto 2008は全く違ったタイプで、メルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%にテンプラニーリョをブレンドした繊細さのあるフレンチ・スタイルです。そしてトップの1780は2006年ヴィンテージで、カベルネ・ソーヴィニヨン55%にテンプラニーリョ、ガルナチャをブレンドし、少しメルローとシラーを加えた複雑味のある、きれいな熟成感が感じられるワインです。
同じ系列のボデガ、セルボレスCérvolesは同じくコステル・デル・セグレにあるのですが、歴史あるカステル・デル・レメイとは違って、モダンです。1997年にワイン造りに適した土地を探して入手し、最適な方法でぶどうを栽培し、最新の技術と設備で、細心の注意を払ってワインつくりを始めました。今、セルボレスは単一畑のぶどうだけでつくるワイン、「ビノ・デ・パゴ」を名乗り、パゴス・マルケス・デ・グリニョンやアアルトなどとともに「グランデス・パゴス・デ・エスパーニャ」のグループに入っています。白はシャルドネとマカベオ、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ、ガルナチャ、メルローのブレンドで、こちらは全てフレンチ・オークで熟成させています。凝縮感のあるスタイリッシュなワインです。