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焼失した宮殿Palacio Quemado




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「パラシオ・ケマドPalacio Quemado」=「焼失した宮殿」というちょっと怖い名前のボデガがエストレマドゥーラ州のワインの原産地呼称リベラ・デル・グラディアナにあります。

エストレマドゥーラはポルトガルとの境にあり、ローマの遺跡群で世界遺産に認定されているメリダや中世そのままのような街並みが世界遺産に認定されているカセレス、新大陸の征服者を輩出したトゥルヒーリョなどなど、歴史的に重要な意味を持つ地域です。

5月中旬にしては真夏のような暑さの日、マドリッドを朝8時に出発。途中で朝ごはん休憩しましたが、野超え山超え、西に向かうこと4時間。

「ティエラ・デ・バロスTierra de
Barros
」に到着しました。粘土の地と呼ばれる、赤土地帯です。アルメンドラレホという、リベラ・デル・グラディアナの中心地の町に近いところです。とはいえ緩やかな丘陵が続く広大な大地のまん中です。

内陸性気候の灼熱の太陽。けれども大西洋から吹く風の影響を受けるので、日射の強さの割には、木陰にすがすがしさがあります。


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パラシオ・ケマドは1999年に創設されました。オーナーはアンダルシアの内陸、コルドバの原産地呼称モンティーリャ・モリーレスにある、1792年創設のボデガ「アルベアールAlvear」です。モンティーリャ・モリーレスのワインは伝統的なシェリーのようなタイプです。そこで、質の高いスティル・ワインを作ろうという心意気で着手したのが「パラシオ・ケマド」のプロジェクトです。所有地全体は4000haもあり、ぶどう畑は100haです。テンプラニーリョ、ガルナチャ・ティントレラ、シラーの他、カリェタナ・ブランカやパルディナといった地元の品種も栽培しています。標高500mほどで、雨が少ないので灌漑設備を付けています。

広大な畑は、よく見ると、部分、部分で大変大きな違いがあります。そのため小さな区画に分けられていて、それぞれの収穫を個別に発酵させるために、発酵タンクは5000ℓから40,000ℓまで、さまざまな大きさがあり、熟成樽は225ℓと500ℓを使っています。


 

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ワインはテンプラニーリョ100%のものが主流ですが、単一畑の「ラ・サルシータLa
Zarcita
」と「ロス・アシレータス Los Acilates」にはその他の品種も混ざっています。

シラー100%の「PQPalacio Quemado)」。2005年がファースト・ヴィンテージですが、毎年造るわけではありません。この日は2005年、2006年、2008年、2010年を試飲。シラーは2001年に植えたのですが、栽培の成果が上がりづらいため、やめてしまうそうです。各ヴィンテージに個性があって、おもしろい、そしておいしいワインだったので、残念です。

「パラシオ・ケマド」。ちょっと変わった名前ですが、リベラ・デル・グアディアナのワインを飲んだことがない方、日本に入っていますので、ぜひ是非お試しください。

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