早くも6月末になってしまいましたけれど、ご報告です。
5月23日発、6月6日着でスペインに行ってきました。前半はバリャドリッドで開催されたIBERWINEというワイン・フェア、後半はヘレス・デ・ラ・フロンテラで開催されたVINOBLEというワイン・フェアが目的でした。
IBERWINE http://www.iberwine.es/
最初はマドリッドで開かれていたワイン・フェアですが、今年はカスティーリャ・イ・レオン州の州都、バリャドリッドで開催されました。出展したのは250社で、カスティーリャ・イ・レオン州が多くのスペースを占めていました。こじんまりしたフェアでしたが、それはそれなりに、落ち着いていてよかったです。セミナーは充実していたと思います。
私は、「スペイン・ワインにとっての海外市場」の公演で、イギリスのマスター・オブ・ワインのサラ・ジェインさんと二人で、彼女は英国市場、私は日本市場について話してきました。日本のワイン市場があまりに小さいので、ちょっと恐縮ですが、来場者はとても興味を持って聞いてくれました。期待に応えられるよう、スペイン・ワインがもっと売れるような仕掛けをつくりたいですね。
リベラ・デル・ドゥエロ
久しぶりのバリャドリッドなので、近くのDOリベラ・デル・ドゥエロのボデガを訪問しました。最終的には、何度もバリャドリッドからペニャフィエル村に通うことになっていました。
最初はペスケラ・デ・ドゥエロ村にある「エミリオ・モロ Emilio Moro」http://www.emiliomoro.com/ とそのファミリーの新しいプロジェクトで、もう少し南のカスティーリョ・デ・ドゥエロ村にある「セパ21 Cepa 21」http://www.cepa21.com/ の2か所を訪問。Cepa 21はモロ家のホセとハビエルが友達と一緒に、21世紀のボデガを意図してつくったというだけあって、建物もワインもモダンです。一方、本家のEmilio Moroは父親の代から続くクラシックなボデガで、ワインも落ち着いたクラシックなタイプです。 http://www.emiliomoro.com/nuestros-vinos.php?sIdioma=es
次はサルドン・デ・ドゥエロ村にある「アバディア・レトゥエルタAbadia Retuerta」。ここは原産地呼称リベラ・デル・ドゥエロ認定区域から少しばかり外れているため、原産地呼称は持っていません。けれどもワインは素晴らしい品質です。12世紀建造のアバディア(大修道院)を利用したボデガです。新築部分の醸造設備は最新式ですが、古い部分は改装されてゴージャスなホテルになる予定です。http://www.abadia-retuerta.es/
続いて訪問したのはペニャフィエルから6キロほどのところにあるクリエル・デ・ドゥエロ村の「ボデガス・コメンヘBodegas Comenge」http://www.comenge.com/ です。小さなボデガですが、心意気はしっかり。ハイメ・コメンヘと息子のアルバロがボデガを設立しました。けれどもその先代、ミゲル・コメンヘは「ぶどう樹とスペインワインLa Vid y los Vinos Españoles」という本の著者です。ワインは自社畑のぶどうを使い、独自の製法で造ったもの。ボデガのレストランで畑を眺めながら食べたステーキとピッタリでした。
次は「プロトス Protos」http://www.bodegasprotos.com/es/ 。
番外編
最後に、原産地呼称ルエダに本拠を持つ「シティオス・デ・ボデガSitios de Bodega」を訪問しました。http://www.sitiosdebodega.com/ ホームページはまだ完成していないし、ボデガもまだ建設中でした。兄弟3人が力を合わせて、有機栽培でつくるワインはこれからが楽しみです。3V (Viñas Viejas Verdejo) というベルデホ種の古木で造った白ワインが販売されています。
ボデガのオーナーは大の闘牛好き。昼食後、小さな村の牧場に闘牛を見に行きました。友達が集まって楽しむ闘牛ですが、牛は小さいながら6頭登場するし、ちゃんと闘牛士が見事な技を見せてくれました。村の青年が一人、挑戦しましたが、一瞬にして角でジーンズが引き裂かれてしまいました。彼を救ったのはプロの闘牛士。やはり素人とプロの違いは歴然でした。背の高い、なかなかイケメン闘牛士でした。
VINOBLE http://www.vinoble.org/
隔年、シェリーの産地、ヘレス・デ・ラ・フロンテラで開催される甘口ワインと酒精強化ワインのフェアです。これらのワインは普通のワインに比べると遙かに手間隙かけてつくられているから高貴である、ということからなノーブルNobleなワインVinoのフェアという意味で「VINOBLEビノブレ」という名前がついています。
地元のシェリー、お隣のモンティーリャ・モリーレスとマラガはもちろんのこと、フランスのシャトーディケム、ハンガリーのトカイ、ポルトガルのポートとマデイラ、そしてイタリアやオーストリアなどからも様々なリッチなワインが集まりました。他のワイン・フェアではあまりないテーマのテイスティング・セミナーの数々も人気です。
ただ、40℃近い暑さの元で、これらのワインはあまりにもリッチすぎたかもしれません。フィノやマンサニーリャが数倍クールでフレッシュに感じられました。
以上、詳しくは「グルメ・ジャーナル」誌にそのうち掲載されるであろう記事をご覧ください。