第2回はアンダルシアのワイン、シェリーです。大西洋の光と風を受けて育つ、世界で唯一無二の個性を持ったワインです。
8月9日、土曜の昼下がり。今回も赤坂BIKINI(港区赤坂5-3-1、105-1 赤坂サカス内Bizタワー1F Tel. 03-5114-8500)のシェフ千津井さんと、ソムリエの中村さんが笑顔で迎えてくれました。
第2回、メニューとシェリーの組み合わせは以下の通りです。
海老とクリームチーズのアヒージョのピンチョス Montadito de gambas al ajillo frias con crema de queso |
Manzanilla Solear (Bodegas
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レカプテのピンチョス(ブラックオリーブとグリーンオリーブのペースト、トマト、アンチョビのピンチョス) Montadito de Recapte; Aceitunas negras y verdes, tomate, anchoas, etc. |
Fino Jarana (Emilio Lustau) |
サルモレホ Salmorejo |
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鶏レバーのパテと自家製胡桃のパン Paté de hígado |
Manzanilla en SOLEAR en rama : (Bodegas Barbadillo) |
チョリソとモツァレラのオーブン焼きパルマンティエ風 Chorizo con |
FINO en rama de |
仔羊のエンパナーダ Empanada de |
Amontillado DON LUIS (Luis Caballero) |
パスタのパエリア フィデゥア Fideuá |
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タルタ・デ・サンティアゴ Tarta de Santiago |
Cream con hielo HARVEY’S BRISTOL CREAM (Beam Suntory) |
「海老とクリームチーズのアヒージョのピンチョス」は軽やかで繊細なうまみがあって、マンサニーリャと合わせると、最初の一口にぴったりです。
「レカプテ」は聞きなれない名前ですが、オリーブとトマト、アンチョビを使ったもので、コカ(カタルーニャ風ピザ)になったりしていますが、今回はタプナード風。その個性的な風味はまさに”フィノ用のつまみ!”です。
「サルモレホ」は濃度の高いガスパチョといった感じで、次のステップに移る前の小休止です。
ここからは「エン・ラマ」を試します。シェリーを樽の中で熟成しているままの味で飲んでもらいたいということで、最近各メーカーが商品化しているものです。今回はエン・ラマの元祖、サンルーカル・デ・バラメダのボデガス・バルバディーリョのマンサニーリャ、「ソレアール・エン・ラマ」を。これは1年の4季の味の違いを楽しんでもらおうという趣向で、年4回出荷されます。今回のは最新、2014年夏バージョンです。
もう一つはヘレス・デ・ラ・フロンテラのフィノ・エン・ラマです。通常のマンサニーリャとフィノに違いがあるように、エン・ラマでもその違いがあり、それぞれ、エン・ラマの方が、ふくらみがあり、複雑さがあります。
これには「鶏レバーのパテと自家製胡桃のパン」と「チョリソとモツァレラのオーブン焼き」を。基本的にしっかりした味の料理ですが、レバー・パテはまろやかと繊細さがあり、グラタンにしたチョリソはモツァレラがやさしくカバーしているので、どちらも豊かさを持ったエン・ラマにはよく合いました。
次はボディがありながらきりっと辛口のアモンティリャードです。合わせる「仔羊のエンパナーダ」はカリッと揚がった衣に包まれた子羊の肉がジューシーでソフトで、デリケートな滑らかさを備えたアモンティリャードとはぴったりです。
パエーリャのパスタ版、「フィデウア」は美味しいスープをしっかり吸って、とてもリッチです。これもアモンティリャードはもちろんのこと、フィノ・エン・ラマも悪くありません。
最後、デザートにはガリシア地方の伝統的な焼き菓子「タルタ・デ・サンティアゴ」です。アーモンドの粉を使ったパウンドケーキのようなもので、オンザロックにしたクリーム・タイプのシェリーを飲むと、口の中でしっとりまとまります。
夏の午後、ウィスキーのロックグラスに氷を入れてオレンジの輪切りを一枚加えて飲むクリームは格別です。
次の第3回は白ワインです。