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エスパイ・プリオラトESPAI PRIORAT – 4

115日(水)ボデガ訪問

 

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この日の午前中は小雨の中、まずはホテルと同じくグラタリョプス村にある「グラタビヌムGratavinumを訪問しました。小さなボデガで、17haの畑は全て有機栽培だそうです。ここに円周の計算式、2πrという名前のワインが!「一般消費者に好きになってもらえるワインを目指してつくりました」とのこと。ガルナチャ・ティンタ50%、カリニェーナ35%、残りはカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーノブレンドです。フレッシュでフルーティでソフトで、ハーブっぽさがあるのが特徴。一方、最高級品Costerはフィロキセラ前に植えられた、プリオラトで最も古い畑の一つから取れるカリニェーナ100%で、オーク樽で発酵させたものです。凝縮感があり、エレガントです。少し経つとハーブっぽさが出てきます。ミネラル感があるのは土壌のせい。プリオラトならではです。

 

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 次は「ラ・コンレリア・デ・スカラ・デイLa Conreria d’Scala Deiへ。スカラ・デイ修道院の裏手、エスカラデイ村の外れにあります。1982年から古い畑を入手しはじめ、1997年に最初のワインを発表したボデガです。モダンなデザインの建物のすぐ横の斜面はぶどう畑になっていました。醸造家のジョルディ・ビダルJordi Vidalがタンクのなかのワインをいろいろ試飲させてくれました。タンクは合成樹脂のものもあればオークの大桶もあります。樽熟中のワインも試しました。

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その後、ボトリングされたワインで昼食をいただいたのですが、この地域独特の各種の腸詰は、肉の味がしっかり感じられ、骨格のしっかりしたプリオラトのワインにとてもよく合います。醸造家のジョルディに似て、ワインは全体に”濃い”イメージです。ガルナチャ・ブランカ100%のLes Brugueresもボリューム感があって、おいしかったです。

 

 

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午後はポボレダの村の入り口にある農産物協同組合「ウニオUNIÓのボデガを訪問。1942年にできたタラゴナ県農業協同組合連合会がもとですが、現在はプリオラトを始めカタルーニャ州の7つの原産地呼称地域にボデガを持つ組織になっています。本部はガウディの生誕地、レウスにあります。ここでは、フィロキセラ以前から生き続けているペドロ・ヒメネス種の古木から造ったLlicorellaというブランドの白ワインに注目です。ペドロ・ヒメネスといえばアンダルシアでは普通にある品種なのですが、プリオラトでも時々出会います。ここのリコレーリャはしっかりしたシリアスなワインで、奥底にペドロ・ヒメネスなのだと感じさせる甘味があるのが面白かったです。

 

こうしてボデガの訪問は終わり、バルセロナの空港に直行して日本に向かったのでした。短い滞在でしたが、楽しく実り多いプログラムでした。

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