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エスパイ・プリオラトESPAI PRIORAT – 3

514日(火)ボデガ訪問

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この日は朝一番にボデガ訪問です。最初は、人口約80人というラ・ビェリャ・アルタLa Viella
Alta
村にある「ボデガス・マス・アルタBodegas Mas Alta5人の仲間が投資してフランスの醸造家2人のアドバイスでワインつくりをしているボデガです。この日はボデガ常駐の醸造家ビセンテBixenteがグラタリョップス村まで迎えに来てくれました。ワインは畑からということで、奥さんのダイアンDianeと犬も連れて、まずは畑へ。プリオラトならではの曲がりくねった道から先は、獣道に毛の生えたようなでこぼこ道。たどり着いたのは新しく植えた緩やかな階段状の畑でした。1999年から植え始めた畑は35haで、この畑の土壌はたまたま少数派の石灰粘土質でしたが、他の畑はほとんどすべてがリコレーリャとのことです。

次に訪れたのはいかにも古そうな株づくりの樹が、砕かれたリコレーリャのなかにけっこうばらばらに植わっている畑です。「これは100年物のカリニェーナです」とビセンテ。一見なだらかな畑も先の方はかなりな傾斜で下っています。視線を上げると、そこにはモンサン山脈の岩肌が立ちはだかっていました。

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ワインの試飲をしようと向かった次の畑は傾斜地に階段を築いて植えるタイプの畑でした。谷を下ったところにあるぶどう棚の下に到着。まずはガルナチャ・ブランカ、ペドロ・ヒメネス、マカベオのブレンドの白ワインARTIGAS 2012を試飲。ハーブのような香りがある、洗練されたしっかりしたワインです。ここで突然雨が! あわてて、グラスもボトルもチーズもまとめて、ボデガに引っ越し。

同じ村の周辺とはいえ、様々な条件の小さな畑をあちこちに持っていることがワインの味にも反映しているのでしょう。ボデガで試飲したカリニェーナとガルナチャの赤ワインCiberets 2010はミネラル感があって、フレッシュさのあるバランスの良いワイン、ガルナチャ100%のLa Basseta 2010は凝縮感、ボリューム感があって素晴らしいワインでした。

 

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次はポレラPorrera村の「マルコ・アベーリャ Marco Abellaです。マルコ家は15世紀からこの村の住人でしたが、19世紀末フィロキセラ禍でほとんどバルセロナに移住。けれども土地は維持していたため、1898年ポレラに生まれたラモン・マルコが畑を復活させようと努力しました。その結果残された畑を受け継いだのは孫に当るダビド・マルコDavid Marcoと妻のオリビア・バイェスOlivia Bayés。2人は、大都会バルセロナでのエリート職を捨てて、ワインつくりに没頭しています。

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 その畑は23ha3カ所に分かれています。訪問した畑は階段式に作られていて、土壌はまさに「リコレーリャってこれなんだ!」と一目瞭然。リコレーリャにも様々な色がありますが、ここのは明るめの色です。リコレーリャがプリオラトのワインにミネラル感を与えると言われていますが、リコレーリャ自体、プリオラトの地域によって特性に違いがあります。畑の色を見てワインの味を想像してみるのも楽しそうです。

マルコ・アベーリャが栽培しているのはカリニェーナ50%、ガルナチャ45%で、その他の中にはフランス品種や白品種もあります。

 畑で試飲したワインはマカベオとガルナチャ・ブランカにほんの少しペドロ・ヒメネスを加えた白のOlvia。地元品種のガルナチャとカリニェーナで造った赤のLiodana。やわらかな印象です。 

 ボデガに行ってみると、オークの大樽、セメント槽、合成樹脂タンクがあって、それぞれのワインを試させていただきました。木樽はボリューム感、セメントはクールな感じがあって、発酵容器による違いも面白かったです。

 

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2日目にして最後の晩餐。場所は昨夜と同じラ・モレラ・デ・モンサンLa Morera de Montsant村のレストランでした。昨年訪問したバル・リャックVall
Llach
の醸造家サルス・アルバレスと再会。同席はセリェール・パサナウCeller PasanauEl Vell Coster)、セリェール・スカラ・デイCeller
Scala Dei (Prior)
、グラン・クロスGran Clos (Cartus) の方々でした。

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