セルビア共和国ってどこにあるかご存知ですか? 東はルーマニア、北はハンガリーとクロアチア、西はボスニア・ヘルツェゴビナとモンテネグロ、南はコソボとマケドニアに囲まれたバルカン半島内陸の国です。もとユーゴスラビア社会主義連邦共和国を構成していた共和国の一つで、2006年から独立したセルビア共和国になりました。首都はベオグラードです。
今年のFOODEX JAPANで偶然通りかかった「セルビア王室ワイン」のブース。「セルビアのワイン? 王室?」という疑問とともに、立ち寄ってみました。
現在のセルビアの地に王国があったのはセルビア王国の時代(1882~1918)と、それに続くユーゴスラビア王国の時代(1918~1941)で、最後はアレクサンドル1世が治めていました。このワイナリー「アレクサンドロヴィッチ」は現在の当主ボジダル・アレクサンドロヴィッチさんの曽祖父の時代から100年以上もワイン造りを続けています。創業者は1903年にワイン生産協同組合が創設されたときのメンバーでもあり、王家のワイン生産者とも親しい関係にありました。1991年、元王家のワイナリーのセラーマスターが、アレクサンドロヴィッチ家がワイン生産を再開したのを知って、第二次世界大戦前にヨーロッパの王室で愛されていたワイン「トリアンフ」の造り方を伝授し、それが今に繋がっているとのことです。
3月11日(土)、セルビア共和国大使館で「アレクサンドロヴィッチAleksandrovic」ワイナリーの試飲会がありました。駐日大使のご挨拶をいただき、オーナーのアレクサンドロヴィッチさんによるワインの解説がありました。
試飲できたワインは「トリアンフ・ゴールドTrijumf Gold 2015:ソーヴィニョン・ブラン85%、ピノ・ノワール10%、リーズリング5%」、「リージェント・レゼルブRegent Reserve 2012:カベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー50%」、「ロドスロフRodoslov 2012:カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネ・フラン10%」、「フィネサFinesa 2015(ロゼ):カベルネ・ソーヴィニヨン25%、メルロー25%、ピノ・ノワール25%、カベルネ・フラン25%」、「トリアンフ・バリックTrijumf Barrick 2012:シェルドネ85%、ソーヴィニヨン・ブラン10%、ライン・リーズリング5%」の5本でした。いずれもしっかり個性のあるおいしいワインです。赤では、同じヴィンテージでも、「リージェント」は繊細さがあり、「ロドロフ」はフルボディ。料理に合わせて選ぶのも楽しそうです。
今回の試飲はいずれもフランス品種のものでしたが、地元の品種について伺うと、「白ぶどうではタムヤニカTamjanika、黒ぶどうではプロクパッツProkupacがありますが、ワインはまだ試作段階です」とのことでした。
これからが楽しみな国です。