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第11回アンダルシアのワイン&スピリッツB2Bミーティング

11th Edition Andalucian Wine & Spirits B2B Meeting

6月29日、シェリーの都ヘレス・デ・ラ・フロンテラ(略称ヘレス)で、アンダルシア州政府とアンダルシア州経済振興庁(Andalucia Trade)主催の第11回アンダルシアのワイン&スピリッツB2Bミーティングに参加させていただきました。アンダルシア州各地のワイン及びスピリッツのメーカーが出展する試飲商談会で、ヘレスで隔年に開催される酒精強化ワインと甘口ワインのフェアVINOBLEの前日に町の中心にあるサント・ドミンゴ教会の内庭回廊で開催されます。

限定ワイン輸入元さんを対象としているため、落ち着いてお話を聞けたり試飲出来たりする素晴らしい機会です。ただ出展者が46社もあり、時間が足りませんでした。

現在アンダルシアには原産地呼称=DOを持つ産地が、コンダド・デ・ウエルバ、グラナダ、ヘレス=シェリー、マラガ、マンサニーリャ、モンティーリャ・モリーレス、シエラス・デ・マラガ、と7か所あり、他にビノ・デ・ラ・ティエラ・デ・カディスのようなIGPが16か所もあります。また、ビノ・ナランハ・デ・コンダド・デ・ウエルバというオレンジの香りを付けたワインもIGP認定を受けています。

ここで注目したいのは、このうちグラナダ、シエラス・デ・マラガ、カディスはスティルワインで、コンダド・デ・ウエルバはスティルワインが含まれ、モンティーリャ・モリーレスもフィノ系は酒精強化なしで、樽熟しないスティルワインが含まれていることです。さらにヘレスは新たにスティルワインのDOビノス・デ・アルバリサを取得し、認定公示を待っている段階(2026年6月末現在)にあります。市場の低アルコール志向が進む中、スティルワインが存在感を増してきているようです。

それに関連し、テロワールを表現したワイン造りの流れがますます顕著になっていることも見逃せません。テロワールを語るに当たり重要なのはブドウ栽培の部分です。ボデガ(ワイン生産者)のウェブサイトにも畑の地理的条件、気候条件、土壌、栽培方法そしてブドウ品種、等々どんどん細かい情報が掲載されるようになっています。ここで活躍するのが新しい感覚の小規模の造り手たちでしょう。ミーティングに出展したボデガは各社、それぞれに意欲的なワインのプレゼンテーションを行っていました。そのいくつかをご紹介します。*主催者作成出展出展者リストのABC順

カルペ・ディエムBodegas Carpe Diem

 マラガとシエラス・デ・マラガの生産者。協同組合がベースで、地場品種が主体。写真は左から、ガデアGadeaの黄色い葉のラベルがドラディーリャDoradilla 100%、緑の葉のラベルがペドロ・ヒメネス100%で、いずれもオーガニック栽培。産膜酵母のもとで熟成したペドロ・ヒメネス100%の辛口白。インフィエルInfielはペドロ・ヒメネス+ドラディーリャ+コロンバールColombardのブレンドでボディがしっかりした白ワインです。モンテスペホMontespejoはライレンLairén+モスカテルのブレンド。その他、ロゼや赤も含め、多種のワインを生産しています。

シエラ・アルマグレラBodega Sierra Almagrera 

アルメリア県のボデガ。創設者のホセ・ミゲル・ガルシアJosé Miguel Garcíaがメルボルンのガレージワインメーカーから始めた感覚で、2003年に、アンダルシア州の中では最も東に位置するアルメリアに定着。シエラ・アルマグレラのシリーズは白がマカベオ、赤はシラーズ+ガルナチャ+モナストレル。アンタスAntasのシリーズはロゼがガルナチャ、赤がシラーとプティ・ヴェルドといった感じで、インターナショナル。

ラ・カプチーナBodega y Viñedos La Capuchina

DOマラガとDOシエラス・デ・マラガを生産。写真右端はドラディーリャ100%。ドラディーリャはこの地域の地場品種の白ブドウで、世界で9haしか栽培されていませんが、そのうち1.5haをラ・カプチーナが所有しているとのこと。ソフトな口当たりでミネラル感があるワインでした。隣のロゼはプティ・ヴェルドとドラディーリャのブレンド。犬のラベルはプティ・ヴェルド100%。写真左の2本はDOマラガで、カプチーナ・ビエハ・ソルCapuchina Vieja Solは天日干ししたモスカテルを使用したアルコール添加なしの甘口Vino Naturalmente Dulce。一番左は天日干ししたペドロ・ヒメネスで造る伝統的な甘口Vino Dulce Natural。

バレロBodegas Barrero

DOマンサニーリャ・サンルーカル・デ・バラメダのボデガ。1798年に創業したボデガを継承。前オーナー会社ミゲル・アンヘル・アヤラMiguel Sánchez Ayala S.A.の2つの熟成庫と畑を入手。2019年に同じくサンルーカルの古いボデガ、ペドロ・ロメロPedro Romeroの2つの熟成庫を入手し、畑も現在110haに拡張。ガブリエラGabrielaブランドのマンサニーリャは6年熟成で、ガブリエラ・オロ(Oro=金)は10年以上熟成のマンサニーリャ・パサダ。ドン・パコDon Pacoは70年熟成のアモンティリャド。ミゲル・アンヘル・アヤラ社が素晴らしく美しいボデガと大変良いマンサニーリャを持っていたのを覚えているので、ぜひ、大切にしていただきたいです。

エル・モンテBodegas El Monte

DOモンティーリャ・モリーレスの中でもモリーレスに位置するボデガ。セロ・デ・マフエロCerro del Majuelo=ブドウ畑の丘という名の畑は標高425mとのこと。モリーレスはシェリーの産地に比べるとかなり内陸で、最高標高が135mというのに比べると確かに高い。フィノのセボーリャCebolla(タマネギという意味)は長期熟成で、優しくまろやかな風味でした。Ximeniumヒメニウムはフィノのエン・ラマ(清澄工程なしで軽い濾過だけ)ですが、このブランドはセボーリャに移行するそうです。

 

 

セルディオBodegas Serdio

18世紀にヘレスとカディスでワインビジネスを始めたカンタブリア出身のセルディオ家が、2022年にヘレスの畑を入手し、翌年ボデガス・ウリウムBodegas Uriumを統合。2024年にはサンルーカルの畑も入手。まさに今上り坂のボデガ。Serdioセルディオ・シリーズではフィノが8年熟成、アモンティリャドはフロール=産膜酵母のもとで12年+酸化熟成8年の合計20年熟成。パロ・コルタドとオロロソは25年熟成です。VORSは30年以上熟成認定の印ですがここでは50年以上熟成しています。他にスティルワイン・シリーズもあります。

ゴンサレス・パラシオスBodegas González Palacios

独自のDOP(VC)を持つレブリハのボデガで、DOヘレス=シェリー認定も受けていますが、今回出展していたのはVCレブリハの製品でした。フロール・デ・レブリハFlor de Lebrijaというのがシェリーのフィノに相当する産膜酵母=フロールのもとで熟成させるタイプです。フラスキートFrasquitoはエン・ラマです。パロ・コルタド(写真右端)のような酸化熟成タイプもあります。ネブリスNebrisはスティルワインのシリーズで、緑の鹿野ラベルはソーヴィニョン・ブラン・バホ・ベロSauvigon Blanc Bajo Veloつまりフロールの膜のもとで熟成したソーヴィニョン・ブランです。他に外来品種を使った赤などもありました。

ペレス・バルケロPerez Barquero

DOモンティーリャ・モリーレスを代表するボデガのひとつ。今回のフェアでは特別なワインを試飲させていただきました。La colección 1905 Solera Fundacionalつまり1905年創業時のソレラのコレクションからアモンティリャド。2度もパーカーポイント100点を獲得したワインです。これまで2000年、2016年、2024年の3回しか出荷したことのない極々限定製品です。もう一つはモンテアルイト・アモンティリャド・ビエヒシモ75年Montearruit Amontillado Viejísimo 75 añosというペレス・バルケロ社傘下のガルシア・エルマノスGracia Hermanos が維持してきた熟成期75年のアモンティリャド。いずれも素晴らしい深みのある逸品でした。

テサリアTesalia

シェリーの産地があるカディス県の内陸にあるアンダルシアの白い村、アルコス・デ・ラ・フロンテラの近くに106haの土地を所有。そのうち12.5haがブドウ畑で、地場品種の黒ブドウのティンティーリャ・デ・ロタTintilla de Rotaの栽培に力を入れています。写真右のARXはティンティーリャ・デ・ロタ55%であとはシラー、プティ・ヴェルド、カベルネ・ソーヴィニョン。左はプティ・ヴェルド50%ですがティンティーリャ・デ・ロタも15%使用。あとはシラーとカベルネ・ソーヴィニョンです。IGP=ビノ・デ・ラ・ティエラ・デ・カディスのモダンなボデガです。

 

ビーニャ・エル・カルメンViña El Carmen=VEC

VINOBLEにもブースを出していたヘレスのボデガです。1898年にマテオス家がシェリーの産地のなかでも質の高い土壌で知られるパゴ・マチャルヌード・アルトにあるエル・カルメンという名の畑を入手しています。後にオーナーは変わっていきましたが、2018年にもとのマテオス家が取り戻し、2023年にビーニャ・エル・カルメンの新しいプロジェクトが始まりました。現在、熟成樽の総数は200個。製品はフィノ、アルコール再添加しないアモンティリャド、オロロソ、それを使ったクリームの4種だけで、どれも丁寧な造りです。小規模ながら自社畑を持ち高品質ワインを少量生産するタイプのボデガが増えてきていますが、そのひとつです。ボデガの方々同様、穏やかなワインです。

ビニェドス・ベルティカレスViñedos Verticales

マラガのアクサルキアで2015年にスタートしたプロジェクト。アクサルキアと言えば険しい山々で知られる地域。最近マラガのスティルワイン・メーカーはアクサルキアの険しい山をどんどん上って畑を作るので、訪問するのも大変です。ここもそんなボデガのひとつで、その名も“垂直な畑Viñedos Verticales”。伝統を大切にし、地場品種を生かす努力をしている小さなボデガです。

フィリータス・イ・ルティータスFilitas y Lutitasは樽発酵のモスカテル・デ・アレハンドリアとペロ・ヒメンの辛口白ワイン。ロカリマRocalimaがドラディーリャ100%。エル・カマレオンEl CamaleónはロメRome 100%。マグネティコMagnéticoはガルナチャ100%。ロメを使うボデガが少しずつ増えてきています。注目したい品種です。

エル・ピラニャViñedosBodega El Piraña

シェリーの産地の認定地域内のトレブヘナにあるボデガで、パロミノの畑を3か所に持っています。ブランド名は畑の名前を使っています。アルベントゥスAlventusはグアダルキビール川に最も近い畑。樽発酵で、産膜酵母が発生した状態で熟成。ラ・ロサLa Rosaは標高70mで海風を受ける畑のパロミノです。樽発酵でこれも産膜酵母のもとで10か月熟成。骨格しっかり。タルビッサナ・アンセストラルTarbissana Ancestralはパゴ・デ・ラ・クルスという畑のパロミノに少し地場品種を混ぜたスパークリング。プリマリオPrimarioはパロミノにほんの少しモスカテルを混ぜた軽い甘口。バラエティ豊かです。

ここでは12社しかご紹介できませんでしたが、それでも本当に様々な地域の、様々な品種で、様々なタイプのワインが造られていることに、あらためて驚かされます。そして、いずれも高い品質です。ぜひ日本に入ってきてほしいワインばかりです。

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