5月15日(火)、スペインクラブ銀座店で、原産地呼称ルエダのボデガ、「アルバレス・イ・ディエスÁlvarez y Diez」のオーナー・ファミリーの2代目、フアン・デ・ベニト・オソレスさんによるセミナーとテイスティングがありました。
1941年にアルバレス氏とディエス氏が創設。その後、1977年、フアンさんの父、エンリケJデ・ベニトさんの手に移りました。「その時代、畑は事実上有機栽培でした」とフアンさん。父のエンリケさんは当時、ワインの製造工程で化学・合成製品を使わない有機製法を提唱していたバルドメロ・イニゴ・レアル氏と組んで、エコロヒコなワインつくりを行っていました。フアンさんによると「世界初の有機ワイン」とのこと。1980年、ルエダが原産地呼称に認定される以前からの意識の高いワインつくりの姿勢は変わりませんが、1992年、フアンさんがボデガの仕事に就いた年、前述のような完全なエコロヒコはやめました。「当時エコロヒコは今ほど理解されていなかったから」だそうです。
ルエダは白ワインの産地として知られています。フランスの著名な醸造家エミール・ペルノ氏がスペイン各地を探索した結果、一番良い白ワインが造れるところとしてルエダを選んだという経緯があります。地元品種はベルデホ、そしてビウラです。かつてはパロミノも多く栽培され、シェリーのようなタイプのワインもつくられていました。現在の主流はベルデホと、海外から導入され、ルエダに根付いているソーヴィニヨン・ブランです。
この日のテイスティングもマンテル・ブランコというブランドのベルデホMantel Blanco Verdejo とソーヴィニヨン・ブランMantel Blanco
Sauvignon Blanc。ベルデホは緑がかった淡い麦わら色がきれいで、フローラルななかに柑橘系の香りがあって、さわやかです。ソーヴィニヨン・ブランはトロピカル・フルーツ系の香りが華やかです。この日はDOトロの樹齢60年のティンタ・デ・トロ100%の赤ワイン、バルモロValmoroも試飲。透明感のあるアメリカンチェリー色で、ソフトな口当たりのバランスの良いワインでした。
「今、ほんの少しですがエコロヒコのワインをつくろうとしています。ほんの少しですよ」とのことでした。