2月2日から4日までの3日間、マドリッドでガストロノミーの祭典「マドリッドフシオン」が開催されました。併設のワイン部門、「エノフシオン」も含め、主催者側の発表では来場者が1万人近くにのぼり、 報道関係者500名以上の中では、中国、日本、フィリピン、メキシコをはじめとするアジアやラテンアメリカからの参加者が目立ったとのことです。今年は招待国がフィンランドと中国で、開場では多くの中国人の姿が見られました。
<マドリッドフシオン>
第13回を迎えたマドリッドフシオンの出展者は150社、メインホールで行われる世界の有名シェフによるデモンストレーションに参加登録した人は3200名近く。中国からは周晓燕Xiaoyan Zhou氏による素晴らしい包丁さばきの技が披露され、注目されました。
またブース会場に設置された多目的ステージでは、アンダルシアのシェリーの産地、エル・プエルト・デ・サンタマリアにある、ミシュラン2つ星のレストラン「アポニエンテAponiente」のシェフ、「海の料理人Chef del Mar」として知られるアンヘル・レオンÁngel León氏が新食材として売り出し中の海のプランクトンを使った料理を紹介し、好奇心と興味で会場がどよめいていました。
日本からは、成澤由浩氏による「サステナビリティーとガストロノミーの融和」をテーマにしたプレゼンテーションや、
服部幸應先生率いる服部栄養専門学校による神戸牛と酒をテーマにした講義などもあり、昨年に続き日本政府が出展したブースは、和食ブームと相まって、人が途絶えることがありませんでした。
マドリッドフシオンの会場ではブースによって、市場の興味の変化が感じられます。
ウィスキーのマッカランMacallanがカクテルをサービスしたり、アストゥリアス州がオルホ(スペインのグラッパ)Los Picosのカクテルを披露したり、カクテルがテーマのセミナーがあったり、カクテルがパフォーマンスもあり、目立っていました。
また、スペイン各地のチーズを集めたブースや、各種パンのブースもいくつかあった中、今回は生ハムのブースがアンダルシアの原産地呼称ロス・ペドローチェスLos Pedroches1つだけでした。
唯一、例年、マドリッドフシオンの中で試飲会をする原産地呼称リベラ・デル・ドゥエロRibera del Dueroは今年、「小さいけれど個性的なボデガ」15社のワインを一気に試飲。まさに個性が光りました。
<エノフシオン>
全200メーカーが参加した第5回エノフシオンでは、スペインをはじめ各国のソムリエ、ワインメーカー、インポーター、ディストリビューター、レストラン関係者などを集め、多くのセミナーが行われました。
原産地呼称統制委員会が主催したものでは、認定50周年を迎えた原産地呼称マンサニーリャ=サンルーカル・デ・バラメダManzanilla-Sanlúcar de Barramedaがモスト(酒精強化前のベースワイン)からアモンティリャードに至るまでの熟成期間による味の変化を試すセミナーを開催。
原産地呼称モンティーリャ・モリーレスMontilla
– Morilesも統制委員会によるペドロ・ヒメネスの試飲とトロ・アルバラToro Albalá社によるヴィンテージものの試飲と2つを行いました。
ガリシア地方の原産地呼称リベイロRibeiroは統制委員会のサンプルワイン各タイプを使い、寿司とのマリアージュを提案しました。
他には原産地呼称カタルーニャCatalunya、海外からはトカイTokajの試飲会がありました。
メーカー主催では、食材大手でマドリッドフシオンの大スポンサーでもあるマクロMacro、カバのメーカー、ナバラのオタスOtazu、ジュベ・イ・カンプスJuvé y CampsとフレシネFrexinet、リベラ・デル・ドゥエロのプロトスProtos、リオハのビバンコVivanco、カタルーニャのトーレスTorres、ペルノ・リカールPernod Ricard各社の試飲会など、多数ありました。
出展ブースにはマヨルカ島のプラ・イ・リェバント Pla i Llevantがあったり、ポルトガルのヴィニョ・ヴェルデVinho
Verdeがあったり。有名なボデガではスペイン最初のビノ・デ・パゴ、パゴス・デ・ファミィア・マルケス・デ・グリニョンPagos de Familia Marqués de Griñónやリオハの伝統的なボデガ地域にあっては新しい実力派、ボデガス・ロダBodegas Roda、リベラ・デル・ドゥエロのモダンなボデガ、パゴス・デ・ロス・カペリャネスPagos de los Capellanesなどがオーナーや醸造家とともに出展。
会場入り口に出来た新しいセクションでは、グイーマルGüímar、テネリフェTenerife、ランサローテLanzaroteなどカナリア諸島の各地がブースを出していたりして、バラエティーに富んだワインが楽しめました。
最後は出口でシードラを注いでもらって、一息。
また来年も楽しみにしています。