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ロシアのワイン Vinos de Rusia, Русские Вина

2019年のFoodex Japan には前年に比べるとかなり大きなロシア・パビリオンがあり、チョコレートなどのスイーツ「Uniconf (United Confectioners)」や各種ティーをティー・バッグではなくスティックにした「Teatone」など、13社が出展していました。

そのなかでワイン関係は2社。1社は昨年訪問した「レフカディア・ヴァレー Lefkadia Valley, Долина Лефкадия」で、同社はセミナールームを使って、プレゼンテーションと試飲を行いました。

もう一社は「ファナゴリアFanagoria, Фанагория」です。1957年創業、自社畑3,500ヘクタールという大きなメーカーです。大変多くのブランドを持っていて、様々なタイプのワインを生産していますが、今回ブースで見たものは、「クリュ・レールモントCru Lermont」という、詩人のレールモントフの名をつけたプレミアム・レンジのものと、「アフトルスコエ・ヴィノАвторское Вино」(スペインのビノ・デ・アウト―ル≒作者の主張を反映したワインに該当するハイクラスのワイン)のシリーズでした。

地場品種を使ったものには「クリュ・レールモント・サペラビSaperavi」と「アフトルスコエ・ヴィノ/サぺラヴィ‐クラスノストップSaperavi-Krasnostop, Cаперави-Красностоп」がありました。

ここで注目したのが、ロシアのワイン表示規定です。ラベルには2つの異なった表記がありました。ЗНМП (защищенное наименование места происхождения)とЗГУ (защищенное географическое указание)です。これはDOP とIGPに相応します。「クリュ・レールモント」はЗНМП=DOPで、「アフトルスコエ・ヴィノ」はЗГУ=IGPです。

以下、ロシアのワイン・サイト「ナシェ・ビノ(Our Wine, Наше Вино)2018年1月25日」の情報を参考にさせていただきました。

ЗНМПは、独特な気候条件を持つ畑やごく限られた地区で、生産に関わる農作業や技術といった人的要素によって栽培された、独特な個性を持つ、特定のブドウ品種を使って、ワインが造られる場合に認定されます。「クリュ・レールモント」は、黒海のタマン半島にあるЗНМП認定地センノイСеннойのブドウで造られています。

IGP(ЗГУ)は地域や地方といった、DOP(ЗНМП)よりかなり広大な生産地域が対象です。ワイン生産に使用するブドウの85%以上が、その認定地域産のものであることが義務付けられています。「アフトルスコエ・ヴィノ」の場合、認定地はタマン半島クバンКубань, Таманский Полуостровという地域名になっています。

DOPとIGPの下のカテゴリーにスタローヴォエСтоловоеというテーブル・ワインがあります。

この原産地呼称制度は2014年12月31日に交付されたもので、IGPが市場に出たのは2016年、DOPは2018年とのことです。

ファナゴリアのワインの表ラベルにはブランド名、収穫年、品種、手摘み、樽熟の表示、裏ラベルには産地やワインの特徴、保存・サービス方法など、たくさんの情報が載っています。

ファナゴリアのホームページには、来日した輸出部長のミハイル・レリュクМихаил Лелюкさんの報告として、遅積みの甘口ワイン「ヴェルヴェット・シーズンVelvet Season」が女性審査員によるコンクール、サクラアワードSakura Wine Awardでシルバー・メダルを獲得したこと、ブースを訪れた日本人にはサペラヴィが好評だったことが記されていました。

まだ多くの地場品種が眠っているロシアの地中海沿岸地方は、これからワイン産地として伸びていく大きな可能性を秘めています。

昨年のロシアのワイン産地訪問に関しては以下をご覧ください。

https://www.vinoakehi.com/2018/10/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%BC%E8%A8%AA%E5%95%8Fvisita-a-las-bodegas-de-russia-%D0%BF%D0%BE%D1%81%D0%B5%D1%89%D0%B5%D0%BD%D0%B8%D0%B5-%D0%B2%D0%B8.html

 

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