VINOBLE 2024関連&周辺情報をお伝えします。
- 日本
2024年のVINOBLEのテーマの一つは「日本酒SAKE」でした。駐スペイン日本大使中前孝弘閣下も日本酒のプレゼンテーションがある2日目にはヘレスにご到着になりました。まずはヘレス市庁舎を訪れ、市長マリア・ホセ・ガルシア・ペラヨMaría José García-Pelayo氏にご挨拶し、記帳。続いて、町中を歩きながらレストラン・ラ・カルボナLa Carbonáへ。オーナー・シェフのホセ・ムニョス・ソトJosé Muñoz Sotoはカン・ロカを始めとするミシュランの星付きレストラン各所で働いてきた経験を持って、両親が開いたこのレストランを引き継ぎました。Chef del Sherryと名乗っているだけあり、シェリーと相性抜群の料理を提供しています。
午後はシェリー&マンサニーリャ統制委員会のボデガ「サン・イネス」に集合。大使ご臨席、シェリーのメーカーの方々も来席のなか、日本酒をパブロ・アロマ―ルPablo Alomarが、シェリーを明比淑子がプレゼンテーションしました。
引き続き、ミシュラン星付きレストラン「マントゥアMantúa」へ。シェフのイスラエル・ラモスIsrael Ramosはヘレス出身で、地元の料理と地ワインであるシェリーを知り尽くし、長年そのマリアージュを提供して来ています。ここにはMWのサラ・ジェイン・エヴァンズSarah Jane Evans、ペドロ・バリェステロス・トーレスPedro Ballesteros Torres他、ワイン関係者が参加。シェリーも交えながら日本酒と料理のマリアージュを楽しみました。
2.アンダルシアのワイン&スピリッツ展示商談会
VINOBLE開催の前日、5月25日(土)にアンダルシア州政府アンダルシア・トレードAndalusia Trade 主催で、世界各国から招いたバイヤーを対象にしたワイン展示会「第10回アンダルシア・ワイン&スピリッツ10th Edition Andalusian Wine &Spirits」がヘレス中心部にあるサント・ドミンゴ修道院の内庭回廊で開催され、39社が出展しました。
まだあまり知られていない地域のメーカーや新しいメーカーが出展していて、各種スティルワインが多く、今のアンダルシア・ワインの状況を知るには大変興味深い会でした。
・レブリハの「ゴンサレス・パラシオス Gpnzález Palacios」
DOPレブリハはこの1社だけで成り立っています。レブリハは2022年の仕様書改訂によりシェリーの熟成地として認可されることになったため、DOPシェリーにも属し、シェリーも生産できます。けれども展示製品はDOPレブリハのものだけでした。スティルワインも造っています。
モスカテルの辛口白ワイン、15か月フィノの樽でフロール付きで熟成したソービニョン・ブラン、フィノ・タイプで7年熟成の「フラスキート・フロール・デ・レブリハFrasquito Flor de Lebrija」、「フラスキート・レセルバ・エン・ラマFrasquito Reserva en rama」、長期熟成パロ・コルタド「レブリハ・オールドLebrija Old 1986」を試飲させていただきました。
・トエブヘナの「ビニェドス・ボデガ・エル・ピラーニャ El Piraña」
代々モスト(パロミノを発酵させた段階のワインでシェリー用の酒精強化前の状態)を販売してきたブドウ栽培農家が近年、独自のワイン造りを始めたもの。オーガニックの自社畑のブドウを使用。「パゴ・ラ・ロサPago La Rosa」と「パゴ・アルベントゥスPago Alventus 」は各同名の単一畑の古木のパロミノ100%で、8か月フロールのもとで熟成したものです。
・グラナダの「アシエンダ・セニョリオ・デ・ネバダHacienda Señorío de Nevada」
DOPグラナダは2018年2月23日付けで原産地呼称認定が公告された、アンダルシアの中では新しい産地です。このボデガも創設1996年で、当初から高品質ワインを造る目的でブドウを栽培し、ワインの生産を始めています。特徴といっていいのは白ブドウ品種のビヒリエガVijiriegaです。カナリア諸島にはよくある品種ですが、今、スペイン本土ではあまり聞きません。けれどももとはアンダルシアから新大陸へ向かう途中、中継地のカナリア諸島に伝わったものです。セニョリオ・デ・ネバダももちろんビヒリエガの白を持っています。
Andalusia Trade出展メーカー
COMPANY | WEB |
ALTANZA-COLECCION ROBERTO AMILLO | www.altanza.com |
BODEGA DE FORLONG | www.bodegadeforlong.com |
BODEGA LA CAPUCHINA | bodegalacapuchina.es |
BODEGA LOS FRUTALES | https://bodegalosfrutales.com/ |
BODEGA MALVAJIO | www.bodegasmalvajio.com |
BODEGA MIGUEL DOMECQ | www.entrechuelos.com |
BODEGAS BARBADILLO | www.barbadillo.com |
BODEGAS CAMPESTRAL | www.campestral.es |
BODEGAS CARPE DIEM | https://scaavo.com |
BODEGAS CONTRERAS RUIZ | contrerasruiz.com |
BODEGAS DIMOBE | www.dimobe.es |
BODEGAS F SCHATZ FS | www.f-schatz.com |
BODEGAS FAUSTINO GONZALEZ, S.L. | bodegasfaustinogonzalez.com |
BODEGAS FONTEDEI, S.L. | www.bodegasfontedei.es |
BODEGAS GONGORA | www.bodegasgongora.com |
BODEGAS GONZALEZ PALACIOS, S.L. | www.gonzalezpalacios.com |
BODEGAS GUTIERREZ COLOSIA | www.gutierrezcolosia.com |
BODEGAS QUITAPENAS | www.quitapenas.com |
BODEGAS ROBLES | http://www.bodegasrobles.es |
BODEGAS SEÑORIO DE NEVADA | www.senoriodenevada.es |
BODEGAS TIERRA SAVIA, S.L. | www.tierrasavia.com |
BODEGAS VICTORIA ORDOÑEZ | www.victoriaordonez.com |
CORTIJO LOS AGUILARES | www.cortijolosaguilares.com |
COTO DE LA VIÑA SAN JACINTO | www.vinosconrad.com |
EMILIO LUSTAU, S.A. | www.lustau.es |
FERNANDO DE CASTILLA | www.fernandodecastilla.com |
HNAS. GARCIA SABORIDO | www.garciadelajara.com |
HUERTA DE ALBALA | www.huertadealbala.com |
LAGAR DE LA SALUD, S.L. | lagardelasalud.com |
LAGAR LOS FRAILES | www.lagardelosfrailes.com |
NAVISA | www.navisa.es |
PEDRO OLIVARES SANCHEZ | www.vinosbiopedroolivares.com |
PEREZ BARQUERO, S.A. | www.perezbarquero.com |
ROMATE | www.romate.es |
SEÑORIO DE PAZINO | https://valorecologicosl.com/ |
THE WINE HUNTER COMPANY | www.thewinehuntercompany.es |
TORO ALBALA | www.toroalbala.com |
VIÑEDOS VERTICALES, S.L. | www.vverticales.es |
VIÑEDOS-BODEGA EL PIRAÑA | www.vinospirana.es |
- Bodegas Espinosa de los Monteros
VINOBLEで出会ったボデガ、エスピノサ・デ・ロス・モンテロスを訪問させていただきました。素晴らしい長期熟成ワインを持っているメーカーです。ところが熟成庫は、まさかと思われるような工業団地のまん中にあり、入り口にたどり着くのが一苦労でした。けれども一歩入ると、そこはクラシックな雰囲気漂うエレガントなボデガ。シェリーのボデガはカテドラルのような天井の高い建物として知られていますが、ここはそれ以前、18世紀に建てられたアーチ式の天井のボデガを修復したものとのことです。樽の総数は100個ほどで、樽は100年以上経つものばかり。ワインは、製品としては30年以上熟成を意味するVORSと表記されていますが、実際には遥かにそれを超える熟成期間を経たもので、アモンティリャドは70年熟成とのことでした。どのタイプもしっかりした骨格を持っていますが、素晴らしくソフトで滑らかで、繊細で、色が淡く、オロロソもフィノ・ビエホぐらいの色です。さらにフィノは20年熟成。その樽の中のフロールは驚くべき良い状態で維持されています。通常フィノの熟成期間は4年ぐらいで、7年以上だとフィノ・ビエホと名乗れ、アモンティリャドに近づいてきている感が明らかです。けれどもここのフィノは遥かにその域を超えているにもかかわらず、色は淡く、限りなくデリケートでソフトでフローラルなのです。ヘレスの工業団地の一角に、こんな熟成環境が存在するとは思ってもみませんでした。
エスピノサ・デ・ロス・モンテロスはもう一つ驚くべき宝物を持っています。このボデガの2階にあるギター博物館です。18~19世紀のギターと同類の弦楽器300点以上のコレクション、そしてヘレスのブランデーのコレクションも他では見られない貴重なものです。もちろん、今このボデガで熟成されている80年熟成のブランデーも素晴らしいです。
この素晴らしいシェリーもギターのコレクションも、19世紀から続くエスピノサ・デ・ロス・モンテロス家の現当主、アントニオAntonio Espinosa de los Monterosとその息子たちが継承しています。